それから俺は軟禁された。鎖はない。部屋は設備が整っていて、トイレ、風呂、エアコン、小さな冷蔵庫とテレビまであった。
しかし通信機器は一切ない。携帯もどこかへ取られた。外との連絡は一切取れなくなり、外へは出されなくなった。
この部屋があるここは、大きな一つの屋敷らしい。まだ他にも部屋があり、そして何人もここに住んでいるらしい。
俺のように軟禁されているわけではなく、高杉と会話する様子から、高杉の部下のようだ。
軟禁されて数年。出る方法もなく。無理に突破して外に出ようとすると、結局すぐに捕まり、お仕置きだと言って何時間も凌辱される。
それからは無理に出ることはやめ、空白の5年が過ぎて行った。といっても、ずっとこの部屋にいるせいで、時間の感覚がない。唯一の娯楽のテレビで年を数える。
5年経ったいつの日からか俺の食事に少量のクスリを入れられた。それが身体の自由を奪っていた。
そんな食事を運んでくるのが、また子という金髪の女かサングラスをかけた万斉という男だ。
また子は食事の他、着替えを置いて行ったり、掃除をしていく。高杉のことが好きで、高杉に抱かれる俺のことは気に食わないらしいが、
そんなことを抜きにすると話し相手になってくれた。
万斉は、何の仕事をしているのかは不明だが高杉が遠くへ出張に言ってしまう時や、高杉の気まぐれで、俺を抱きに来た。
「あっ、やぁっ」
「もっと啼け銀時ィ」
広いベッドで、高杉の熱を穿たれる。
気持ち悪ィ。こんな、男なのに、同じ男に、女のように抱かれて。女のように感じて、女のように声を出している自分が、気持ち悪ィ。
最初のように、媚薬で無理矢理感じさせてたときと違い、今はもう高杉によってオンナのようにされた。
「ん!は、あぁっ」
「もうすっかりオンナだなァ」
ククッと喉を鳴らす高杉。俺を見下ろす眼には、さぞ気持ちよさそうに善がる俺の姿が映ってるんだろう。
どうしても好きになれない。セックスだけは。
認めたくないが気持ちいい。男だから、勃って出す、という行為さえできれば当然気持ちいい。
でも、こんなのは嫌い。
高杉は、優しかった。軟禁はしても、セックス以外の暴力は振るわない。
たまに、俺が万斉と仲良く喋ってるのを見ると殴ってくるが。あと、脱走しようとしたときも殴ってきた。
でも、セックスをしないとき、機嫌がいいときは俺を後ろから抱き締めたり、髪の毛をぼさぼさ触ったりしてきた。それに、なんとなくときめいてしまったりもした。
でも、セックスは嫌い。
なんで高杉は俺を抱くんだろう。俺が好きだから?そう自惚れた時もあった。
でも違う。
「ぅあ!!あ!やめ、も、やだっ」
「あぁ?まだまだイケるだろうが」
「んやぁ!」
高杉は、女を抱く。綺麗で慣れた女を抱いてはそのあと俺を抱いた。目の前でセックスしているのを見られたこともある。
高杉が連れてきた女で童貞を捨てながら、後ろから突っ込まれたこともあった。
用が済んだ女は、着替えもそこそこにこの部屋から放り出される。そのあと、俺を激しく抱く。女を抱いた後はいつもそうだ。
それがいやだった。高杉が目の前で女を抱くのを見るのが、とても辛かった。
わかる。それは、嫉妬だった。高杉が抱いた女に嫉妬していた。別に恋人でもないのに、俺は高杉の愛玩動物なだけなのに、身の丈を知らずに嫉妬していた。
「は、あぁっ!も、だめ、ぅあ!」
高杉が俺の一番感じるところを抉る。
そこを抉られると、チカチカと目の前に光が飛ぶ。みっともなく口を開いて女のように喘いで、口から涎を垂らす。
もう限界が近い。高杉も近いようだ。顔を歪めている。
この顔は、好き・・・。
「イ、く、あぁぁ!!」
「クッ」
奥に高杉の熱を感じる。はっはっと息が整わない。
俺は、すっと眠るように堕ちて行った。
俺は逃げた。
クスリが入っているものは水だけだったので、その水を飲まず、そっと洗面所に流した。
そんなことを何日も繰り返し、クスリが薄まってきた。
今日から高杉は出張。着替えを身につけ、部屋のドアに手をかける。
ガチャリ。鍵はかかっていない。俺にクスリを飲ませて身動きを取らせなくしておけば、この部屋から出て行くことはないと高を括っていたいたのだろう。
見張りもいない。今日からの出張に、万斉もまた子もついていった。他の者も数人は出払っているらしく、この屋敷は静かだった。
屋敷から外へ続く扉に手をかける。
息を深く吸って、飛び出した。
走って走って、久しぶりに、何年ぶりかの外の世界を眺める間もなく、走った。
昨夜も抱かれていたので足がふらつき腰も痛いが、縺れる足を無理に動かして走った。
やっと辿り着いたのはネオンが輝く歓楽街。
歌舞伎町だ。
◇◆◇◆◇
土方は今日もいつもと同じように家を出た。
弁当もちゃんと持たせて、見送りに玄関に出たらちゅっとキスされて、行ってきますと一言、出て行った。
さて、洗濯でもしますか、と洗濯機のスイッチを押して、洗濯中に食器を洗い終え、洗濯物を干す。
さぁてジャンプ読んでごろごろしますか〜と思っていたら呼び鈴が鳴った。
「誰だよ〜俺の昼寝タイム邪魔する奴は〜・・・新八か〜神楽か〜?」
ガチャッ
「よォ・・・銀時ィ・・・・・・」
目の前に広がる
闇