今日も銀時の作った弁当は上手い。
最近はあまり大きな事件は起きておらず、多忙を極めていた時とはガラリと変わり、報告書を仕上げたりして過ごした。
銀時からのメールはない。たぶん何も仕事がないのだろう。署から出て急いで家に向かう。
ドアを開けて部屋に入ると銀時がいない。
コンビニにでも行ったのだろうか。
だが銀時はいつまで経っても帰ってこなかった。
なんの連絡もなしに帰ってこないなんてない。
電話もメールもしてみたが繋がらない。
メガネやチャイナに聞いてみるが今日は来てないという。他の銀時の知り合いにも聞いてみるが同じ反応。
そういえば銀時の幼馴染だといって、うざったい長髪の桂という男と会ったことがある。そいつに聞いてみるか、と聞いてみても他の奴らと同じ反応だ。
銀時はいい大人だというのに心配し過ぎなんじゃないかと思うが、どうにも銀時には過保護になってしまう。
ふと見せる、銀時のあの表情に、消えて行ってしまうんじゃないかという儚さがある。
そうだ、銀時を飼っていたという男・・・もしかしたら連れ戻しに来たとか・・・・・・。
しかしその男の名前すら聞いたことがない。
歌舞伎町をしばらくぶらぶらしていたが、銀時はいないし、
情報も掴めず、どこにいるか見当もつかず、仕方なく帰ろうと思っていたら、遠くに白い物が見えた。銀色―――
俺は迷わず駆け出した。段々と距離が近くなって顔が確認できると、それは銀時だった。
でもいつもの銀時じゃなかった。
こちらに気づいた途端逃げ出した。すかさず追いかける。やっとで捕まえた時には息が苦しくてしばらくは喋れなかった。煙草やめよう・・・。
「おい、なんで逃げるんだ。どうして帰ってこない。どうして携帯繋がらねェんだ。どこ行ってたんだ」
捲し立てるように問い立てると銀時は顔を逸らす。といってもさっきから目を合わせない。
ギリッと、銀時の手首を掴んでる手に力が入る。
銀時が顔を歪めたので、慌てて力を緩めて手首をさすろうとしたら、長袖から覗いた手首には鬱血の痕。
「なんだ!?これは!」
「っ!!」
銀時は俺の手から逃れようと腕を振り上げたが、純粋な筋力などの力では銀時よりも高い俺の力に銀時が勝てるはずがない。
振り払えないのを諦めもしないで、腕に力を入れ努力をしている。どうしてそこまで頑なに俺を避けようとする?
どうして、俺を見ない。
「・・・・・・とりあえず手当するぞ。来い」
「あ、待って」
銀時の腕を引っ張って、近くのホテルに入った。