七-チー-

土方が俺を抱き締める。
そして唇を合わせた。
土方の服にはまだ匂いが残ってる。 香水の匂いなんて歌舞伎町で仕事をしている俺にとって嗅ぎ慣れた匂いであるはずなのに、土方がつけてきたというだけで、頭に血が上る。心が痛い。
勝手に俺が想ってるだけだったのに、みっともなく泣いて、服についた香水の持ち主に嫉妬して、土方にとっては迷惑の何物でもないのに、 土方は怒ったように、理由を聞くから、途切れ途切れに想いを告げてしまった。
あぁ、これで、捨てられるかもしれない。
そう思ったら、逆に抱き締められた。土方が、俺を好きだ、と。


「お前はそこにいるだけでいい」


そんなことも言ってくれた。
あの人、先生に言われた言葉。とても幸福だった。
あの男も言った。不思議だった。俺に奉仕を強要したり、俺の身体を貪ったり、酷いことをしてきたあの男は、たまに閨で俺に囁くことがあった。


「お前はいるだけでいい」


と。
酷い男だと、わかっていても、その台詞を言われるたび、俺はアイツを・・・。




俺は土方に手を引かれ、寝室のベッドに押し倒された。
いつからか、何もしないけど同じベッドで寝るようになった。男二人が入ってもそんなに狭くないベッドだったし、 俺と土方の眠る時間が被らないことも多かったので、結構大きめなベッドを一人占めできることもあった。
このベッドで、たまに一緒に寝るとき、俺は土方が寝ついてから、じっと寝顔を盗み見することもあった。
いつからか、このベッドで、土方に抱いてほしいと思うようになった。土方にここで抱かれる夢や妄想をするようになった。 それが今、本物の土方に押し倒されている。


「いいか?」
「うん」


土方は、俺の服を捲って、その長い節くれだった手を俺の肌に這わす。
触られるだけで感じるように、あの男に調教された。だからすぐに感じてしまう。はしたないって思うかな。淫乱、て嫌われなきゃいいんだけど。
でも、快感とは別に、土方に触れられてる、というだけでドキドキする。
なんか胸が苦しい。なんか妙に恥ずかしい。
土方は、俺の首筋から鎖骨、胸、臍、を指で辿った場所からちゅうちゅう吸ってきた。ぞくぞくっと背中に何かが駆け巡る。
俺のない胸に唇を寄せて、下でコロコロ転がしたり指で捻ったり撫でたりしてきた。

「っぁ、」

もう勃ちあがってしまったところに土方が触れる。また変な声が出た。
ズルッとパンツと一緒にずり下ろされ脱がされて、完全に恥ずかしい所全開。羞恥でいっぱいで、 手で隠そうとするのを阻まれてしまったので真っ赤になってるであろう顔を隠した。

「もう濡れてる」
「ん!」
「感じやすいな、お前」
「ん!やだっ」
「可愛いなお前、」
「なっ、ちょ!おま、やめ、あぁっ!」

土方は、男なんて初めてだろうに、俺の勃ちあがったものを何のためらいもなく咥えた。 びっくりして顔を隠していた手で土方の髪の毛を掴んで口から離そうとするが、尿道を舌でぐりぐりされ、手に力が入ってしまった。 それが、土方に押しつけるような形になり、徐々に俺の手に力が入らなくなってくると、つん、と後ろにある蕾に指で触れられた。

「ひゃんっ」

何年もあの男の愛玩動物をやっていたから、そこは触れられるだけで綻びひくつくようになった。
土方がローションを纏わせた指を入れてくる。

「んっ」
「痛くないか?」
「ぅんっ」

普段なら、そこは排泄行為しか行わない場所、でも俺のソコは、立派な性器になっていた。
四つん這いの格好にさせられ、後ろから土方が弄っている。
多分土方の目には、そんな俺のはしたない後孔が映っているだろう。身を捩って逃げ出したくなる。こんな淫乱な姿、幻滅しないだろうか。
ちらっと後ろを振り返って土方の顔を見ると、予想通り土方は眉間に皺を寄せて不機嫌そうな顔をしていた。


「ごめ・・・俺、汚ねぇ・・・・・・」
「違ェ・・・・・・。こんなになるまで、お前の身体を弄んでた奴に今嫉妬してんだ。殺してェほどだ。俺が、こんな風に変えたかった。 お前に少しでも早く会ってればよかった」
「土方・・・・・・じゃあお前が塗り替えてくれよ。俺の身体に残るアイツの痕、お前が消して」
「銀時・・・っ」


土方は俺の身体をひっくり返し、腰が浮くほど脚を持ち上げた。
顔を見たかった俺は、切羽詰まった土方の顔を見れて、顔が知らず綻んだ。
めりめりっと肉が身体を貫くこの感覚。俺の後孔は受け入れるのに慣れているから裂けることもなく挿入った。 でも内臓を圧迫されるこの感覚、身体が引き裂かれるようなこの感覚には、少し慣れない。
でも中で土方のやけどしそうな熱を感じて、満たされる。幸せを感じる。
今までセックスは、快楽を追う為のもので、過ぎる快楽も痛みに変わるとはよく言ったもので、満たされる、というのは感じたことがなかった。


「ふっ・・・」
「な、かに出していいよ・・・っ」
「っ出すぞ、」
「ふ、ん・・・お、れもイく、イく、あぁぁ!!」
「くっ・・・!」
「あ、んん・・・あ、たかい・・・・・・」


身体の奥に土方の熱をかけられ、おれも同時に腹の上に飛び散らせた。
嬉しくて、土方の背中に回してた腕に力を入れて抱きついた。
土方も俺の上に倒れ込んで、俺の身体を抱き締めた。