もぬけの殻だったホテルから出て、俺は一直線に歓楽街へと向かった。
辿り着いた先の店はもう開いているらしく、派手な看板は光り、客引きをしている白い着ぐるみ?はプレートを持って宣伝している。
俺は店の戸を開く。すると目の前に広がる妖怪の巣・・・
看板には『かまっ娘倶楽部』
きゃー、かっこいいわぁ〜、誰にするのぉ〜?、あたしにしてぇ〜、と女の声とはまるで違う無理に高めに出している野太い声が店内に響く。
キョロキョロと店内を見渡すと黒い髪の、この店の中ではまだマシなキャバ嬢・・・オカマを指名する。
「お前、こんな趣味があったのか」
「違ェ!お前に聞きてぇことがあって来たんだよ」
俺は早速本題に入った。
「高杉、という奴を知っているか」
「高杉?高杉晋助のことか?」
「そうだ」
「あぁ、知っているぞ?昔俺と、銀時の家の近くに住んでいたんだがな、すぐに引っ越してしまった」
「今どこに住んでるか知っているか」
「いや、引っ越してから連絡は途絶えたからな・・・知らん」
「そうか・・・」
もう予想はついている。銀時は今高杉の所にいるだろう。いや、だろうではなくている。絶対に。
銀時の家の近くに住んでいたというなら、幼馴染だという桂なら知っているだろうと来て聞いてみれば知らないと。
警察として聞き込みをするにも、事件に関与している人物ではないので、私情で調査はできない。
桂が一番有力な情報源だと思ったのだが。
「その高杉がどうしたのだ」
「・・・・・・」
「・・・銀時か?」
「・・・」
「やっぱりな」
「どうしてそうだとわかる」
「銀時からなんとなく話を聞いていたからな。お前に会う前は違う男の所にいた、とな。ぼかして話していたがそれが高杉なんだろう」
「・・・」
「銀時は、もしかして高杉に酷いことでもされてたんじゃないか?俺に話すのをためらって怯えていたからな」
「・・・」
「やはりな。高杉は、幼い頃、異様に銀時に執着しているように見えた。俺はまだマシだったがな、銀時と仲良くしていた同級生達を睨むように見ていたり、
上級生が銀時の髪の毛のことでいじめていたら酷くキレてな。その上級生を殴って怪我をさせたことで転校していったみたいなんだがな」
「・・・執着・・・か」
軟禁するほど執着しているのか・・・。
「土方、高杉の居場所探してやろう」
「何?どうやって」
「俺はな、こんなバイトをしているが情報屋の一面もあるんだぞ?」
「情報屋?」
「俺の情報収集能力はすごいぞ。待っていろ。明後日にでも居場所を教えてやろう」
「そんなに早くわかるもんなのか」
「俺の情報収集能力はすごいって言っただろう。あと他にコネがあってな」
「・・・」
「俺も銀時が大切だ。もう20年来の親友だからな。お前と会えて銀時は幸せそうだった。不服だがな。
でもお前といることで銀時が笑っているなら銀時を捜す手助けはするに決まっているだろう」
「桂・・・。わかった。頼んだ」
桂は本当に2日後高杉の居場所を調べ俺に教えてくれた。
それは都心から離れた郊外の閑静な場所。歌舞伎町からはいくらか遠い。
そこから銀時は走って、逃げてきたのだ。
しかし何故今になって銀時を連れ戻しに来たのだろうか。
銀時がそこから抜け出してから数ヶ月は経っている。
見つけ出そうと思えば見つけられたはずだ。俺達の部屋の場所からあのホテルの部屋までわかったというのに。
俺はすぐにその場所へ向かった。
しかしそこには銀時はいなかった。
俺の知っている銀時は。