銀時が突き返す。
扉が無情に閉じられたが、俺はそれで諦めるわけにはいかない。
銀時が、ここの方がいいなんて言うわけない。
銀時と出会ってから、銀時はここにいるときの話をしようとはしなかった。ようやく話してくれた時は最悪だ、思い出すと吐き気がする、と言いながら顔を歪めていた。
自惚れかもしれないが、銀時は今の歌舞伎町での生活、俺との生活を幸せに感じているはずだ。
だから俺の所に戻ってくる。いや、連れ戻す。
なぁ、銀時、お前の居場所はここだって言っただろ?
お前が好きだ。
俺はお前を女のように扱いたいわけでも、お前を凌辱して征服したいわけでも、傷つけたいわけでも優しくしたいわけでもねぇ、そうじゃなくて
お前と一緒にいたいんだ。
扉をドンドン叩き、開けろと訴えているとやがて扉は開いた。
開けたのは金髪で短いスカートを穿いた女だ。
「アンタうるさいっス!なんなんスか!」
「中にいる奴に用がある。入れろ」
「はぁ?ちょ、」
もう既に、玄関には当然二人はいなく、開いた扉から中に入り、女から無理矢理部屋の場所を聞くとそこへ向かった。
着いた部屋の扉はやたら豪奢で、そこは鍵はかかっておらず、勢いよく扉を開き中を見る。
すぐに目に飛び込んできた毛の立った質のいいビロードの絨毯にカーテン。部屋の床には銀色の鎖が這っていて、その先を辿ると大きなキングサイズのベッド。
白いシーツのかかったベッドの上には、黒い闇と銀色がいた。
「おいおい、帰れって言ったはずだぜェ?」
「ソイツを連れて帰るまでは帰れねェ」
「コイツは俺のモンだって言ったよなァ」
「銀時はモノじゃねぇ。お前のモンでもましてや俺のモンでもねぇ。だが銀時はここじゃ幸せになれねぇ」
「銀時は帰らねェっていったんだ。ソレを無理矢理連れ帰るっていうのかァ?」
「お前が銀時に何か言ったんだろ。いいから銀時から離れろ」
俺は銀時の傍に行き、高杉を突き飛ばす。
近くに転がっていたシャツを羽織らせる。
「銀時」
「・・・ひじかた?」
「帰ろう」
「ひじかた・・・でも」
「お前がどうしてもって言うならいい。でも俺はお前を傷つけない。お前と一緒にいたい。
お前は傍にいるだけでいい。だから」
俺は銀時の腕を取って引っ張り立たせ、走り出した。
高杉が制止に入るがそれを振り払い、部屋を飛び出す。
すぐに前からサングラスをかけヘッドホンをしている男が来て、高杉も後ろからもう辿り着いた。
そして高杉が銀時の腕を取る。