高杉は銀時の腕を掴み、笑いながら言う。
「お前の居場所はここしかねェ。ここでしか生きられねェんだ」
銀時は肩を震わす。
きゅっと土方と繋いでいる手に力が入る。
そんな怯えるような銀時を見て、高杉はさらに笑みを深くする。
「帰ってこいよ銀時ィ・・・」
俺が高杉の腕を振り払おうとすると銀時の手に力が入る。
「銀時?」
銀時は土方を見て、にこりと笑い、赤い唇が土方の名を紡いだ。
そして、その力を込めた手をパッと離すと、高杉に向き合った。
「俺の居場所はココじゃない。お前の所には帰らない」
銀時はきっぱりと、芯の通った声で言う。
「俺は、コイツと、土方と一緒に『俺』を生きていく」
高杉は銀時の腕を離し、後ろを向く。
「・・・・・・てめぇにはもう飽きた。主人の言うことを聞かねぇ馬鹿なペットにゃ興味はねェ。
失せろ」
土方は、高杉が後ろを向いているうちにと、気が変わらないうちにと、銀時の手を引きその場を離れようとする。
銀時は手を引かれながら、高杉に向け言った。
「高杉、・・・・・・晋助、俺はお前のこと・・・好きだったよ」
高杉は何も言わず、背を向けたまま。
銀時は土方に手を引かれ消えて行く。
久しぶりの外の空気はさわやかで、銀時は土方と手を繋ぎながら家路を辿った。
家までのその道程の中、二人は一言も発さず、銀時は何を言えばいいのか逡巡しているようにも見えた。
やっと辿り着いた家の玄関で、土方は怒るでも、よかったでも、ありがとうでもなく、ただ一言。
「おかえり」
「ただいま」
銀時は零れるような笑顔で土方に言った。
「いいでござるか?折角好きだと言われたのに」
万斉は高杉に近づき訊ねる。
しかし高杉の顔を見て、万斉は口を閉ざす。
高杉は静かに部屋へ戻って行った。