纏足を履かされた者は、外に出ることができずに、遠くへ行くことができずに、一生痛みに耐え朽ちて行く。


それでも逃げよう、いや、自由になろうと飛び出して行った者も中にはいるだろう。
痛みに耐えて辿りついた先には 「自分」 があったから。


男は逃げないように、さらに痛みを与えた。

それは 執着
そして 依存

愛した者を、歪んだ愛で縛りつけ、その愛する者の香に酔う。
その香は 麻薬


依存し、中毒になった男は、歪んだ愛でしか表現ができなかった。
男はただ愛しただけだった。愛したかったのだ。


ビロードの纏足は脆く、愛する者は、愛する者の「自分」を与えてくれる愛する者と共に、纏足を解いて飛び立った。


                   
                       
                                     -ビロードのてんそく-


-完-






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