今日は一人で帰る。はずだった。
土方はどうせ彼女のミツバと帰る。
美男美女カップルと囃されて、言われて照れるようにミツバが微笑み、土方が笑う。
土方の笑みなんて、
いつも仏頂面の顔ではあまり変化がなく分かり辛いがそっと顔色が変わるのだ。
それは長年そばにいた俺だから分かる変化。
俺には容易くわかってしまう。
そうだよ、俺は分かるんだ。
お前の表情も感情も、全て。
俺の知らないことなんてないだろう。
なのに、知らない。
そんな、かお
俺と一緒にいない空白の時間は何してるんだ、何を思うんだ、
空白なんていらない
「…ん、銀時さん?」
「へ、あ、あぁ」
そうだ、今日は一人で帰るはずだった。
土方とミツバの並んでいるところを見たくなくて部活が終わったら急いで着替えて部室を飛び出して。
辰馬も高杉もヅラももう帰ってるから、
一人で、家まで一直線で走ってでも帰ろうかと思っていたのだ。
なのに
勝手についてきた栗色の子。
「銀時さん、家にお邪魔してもいいですかぃ?」
「はぁ?」
何を突然言い出すんだこの後輩は。
ドS同士気が合うと言えば合うが、たいして喋ったこともなく、
それほど仲が良い訳でもないはずだ。
一緒にどこかに寄り道していこうぜ〜ぐらいの関係だろ?
それが突然家にお邪魔??
「俺、銀時さんと仲良くなりたいと思ってましてねぃ。
でもあんまり最近部活出てこねぇから機会がなくて。だからやっとチャンスが出来ましてねぇ」
「あーそうなの」
「だからお近づきになるにはまずおうち訪問かな〜って」
「いや、早くない?
俺達まだ一緒にゲーセン行くとかファストフード食べ行くとかもしてない仲だよ?」
「俺流仲良しマニュアルでさぁ」
「勝手だね…。まぁいいよ来れば?何もないよ俺んち」
なんだか怪しい気もするが別に沖田が嫌いなわけでもないし、
男同士だし気を遣うこともないだろうから、俺は了承した。
沖田とはやはり気が合うらしく、
今度は出かける約束をして、また明日、と俺の家から出ていく後ろ姿を見送った。
10.01.29 継続中