あれ…眼鏡変えた方がいいかな。
眼鏡変えよう
今日も銀さんは土方さんと喧嘩している。
いつもいつもくだらないことで子供のように喧嘩している。
結構思考が似通っているのだから仲良くすればいいのに。
あ、磁石は同じ極って反発するんだよな。…じゃあやっぱり二人は仲良くなることなんかないのかな?
でも見た目や生活態度(?)は真逆なのだから気は合うんじゃないかと思うのに。
白と黒。
自堕落と真面目。
正反対だからこそ仲良くなれると思うのにな。
あ、水と油も混ざりあわないか……。
二人が仲良くなることはないか。やっぱり。
考えてる今もほら、喧嘩してる。
内容は糖分とマヨネーズの重要性らしい。
聞かなきゃよかった。
どっちもどうでもいいよ。
でも最近は斬り合いになるような喧嘩はしてない。
ちょっと前までは胸倉掴んだり、刀突き合わせたりしてたのに。
最近は顔を見かけると「よぉ」って声をかけるし、飲みにも行ってるらしい。
仲良くなったのかな?
それならいい。
土方さんはいい人だし、文句はない。
ないよ。
友達になったっていうならいいんだけど。
夕方、万事屋に来客者が来た。
土方さんだ。
珍しい客だ。
と、思っていたのに
「あ、ニコチン〜!!また来たアルか〜酢昆布買ってきてくれたアルカ?」
え?また?
「ほらよ」
え?酢昆布持ってんの?
「俺への献上品はぁ?」
「これから食いに行くだろ」
「ずるいヨ〜たまには私も連れてくアル〜」
「今度なんか買ってきてやるよ」
「やったネ!次来たとき持ってこいヨ」
「はいはい」
「やっさしぃ〜パパぁ」
え、ちょ、待って、突っ込みどころ多くない?
なんで神楽ちゃん土方さんの来訪に驚かないの?
なんで土方さんは酢昆布持ってきてんの?
なんで神楽ちゃんのあの物言いに怒らないの?
なんで神楽ちゃん、いつの間にそんなに土方さんに懐いてんの?
なんで銀さんはそれを優しく見守ってんの!?
何この空気。
ほのぼのしてない?
どっかの家族団欒みたいだよ?
「おい、お前これから飲みに行くってのに、菓子ばっか食ってんなよ。夕飯入んなくなんだろ」
「大丈夫ですぅ。別腹だから」
とか言っときながら素直にやめる銀さん。
僕が言っても聞かないのに。
「おい、てめ、ここで煙草吸うなよ」
って、灰皿を差し出す銀さん。
で、素直に消す土方さん。
なんかちょっとおかしい。
どこだろ……。
いや、今まで突っ込みどころはいっぱいあったけどね?
それ以上に……
なんか妙にお二人さん、くっつきすぎじゃない?
なんていうの?効果音をつけるとすればまさしくベタァーってかんじ。
僕、眼鏡変えた方がいいかな?
ねぇ、神楽ちゃん、ベタベタしてる二人に何も言わないの?
「銀ちゃんさっきからニコチンとベタベタしすぎヨ」
うん、そうだよね。
「私もかまってヨ」
……は?
「どうせ後でベタベタするんだから今は私とするヨロシ」
あ、なんかおかしいな、幻聴?
耳も悪くなったのかな?
後で?何?
「銀ちゃん、私焼肉食べたいヨ〜」
「だってお父さん」
「あぁ?…んじゃ、今度行くか?」
「「きゃーお父さん最高!!」」
なんか一つの家族が出来上がってません?
僕は全然ついて行けないんですが。
「じゃあ、銀さん達行くけどちゃんと歯ぁ磨いて寝ろよ」
「わかったヨ〜」
二人は出て行った。
「…ねぇ神楽ちゃん、銀さんと土方さん、あんなに仲良かったっけ?てか仲良すぎじゃない?」
「あ、新八いたアルカ」
「いましたぁぁぁ!!!喋ってなかったけどいましたぁぁぁぁ!!!」
「銀ちゃんとニコチン付き合ってるアルヨ」
「えええええええええええ!?」
「新八気づかなかったアルカ?
いつもニコ、新八帰ってから来てたアルからな〜」
だからか。だから神楽ちゃんは土方さんが来ても驚かなかったんだ。
でも付き合ってる!?
嘘だ。あの二人が!?
「神楽ちゃんはいいの?銀さんが、その…男の人と付き合ってて……」
「むしろそっちのがいいアル。銀ちゃんに貢いでくれる女の人なんていないヨ。
ニコは銀ちゃんにメロメロだし、お金持ってるしいいネ」
「それに、銀ちゃん幸せそうヨ」
僕もさっき見て思った。銀さんは幸せそうだった。
やっぱり、あの二人は相性がよかったんだ。
神楽ちゃんと同じように見えてたから
僕の眼鏡はまだ変えなくてもいいようだ。
