「あれ、旦那、どうしたんですかぃ?」

武装警察真選組一番隊隊長沖田総悟は、かったるくてやっていられない見廻り、のサボりから戻ってきた。
屯所に入り自室に向かおうとしたところで、屯所には、いや、 真選組にはいないはずの銀色の髪の毛をした侍を発見した。

「あ、沖田くん」
「俺達に用ですかぃ?」
「お前らに頼るなんて地球がひっくり返ってもしねぇよ」
「じゃあ何で……あぁ」

沖田はひとつ思いついた。
銀時がここに来る理由。
それは最近になって知った、知りたくなかったことで、そしてそれなどあって欲しくない、 壊してしまいたい理由だ。

「土方さんですか」
「おぅ、アイツが煙草切らしてるからって届けに来た」

銀時が袂から土方の好むフレーバーの煙草1カートン取り出す。
土方と銀時は最近、付き合いだした。
どこかへ付き添うや、友達(二人は絶対に友達にはなれそうもないが)という関係ではなく、所謂恋人だ。
土方は前々から銀時には特別な感情を抱いており、それを沖田は勘付いていた。
それが最近になってやっと心を打ち明けたらしい。
銀時も、もとから土方が好きだったようだ。

「へぇ、旦那が土方さんのパシリやるなんてねぃ」
「パシリじゃねぇ!俺がアイツの為にパシるとか有り得ねぇ。空からイチゴ牛乳の雨が降るぜ。 ん?イチゴ牛乳の雨か、いいな」
「じゃあ会いに来たんですかぃ?」

その煙草も、どうせ土方に会う為の口実。

「煙草まで持って土方さんに会いたかったんですかぃ」
「はぁ!?俺が!?アイツが銀さんに会いたがってたんだって。俺がアイツに会いたいとかどんなオトメン……」

そう言っている間にも銀時の視線の先は、廊下の突き当たりにある部屋。
副長室だ。



なんだかんだいっても銀時は土方のことが好きらしい。
銀時の、土方を、土方のことを思い見つめる瞳は、いつもと違う恋する瞳だ。
その目に沖田は映らない。

沖田も銀時に特別な感情を抱いていた。
確かに土方の方が先に銀時に会った。
しかしそんな差など無いに等しい。
いくら出会いが強烈だろうと、一緒にいた期間は同じであろう。
それに、沖田の方が銀時とは仲がいいのだ。
土方にドSコンビと言われるほど気が合う。
それなのに銀時は、よりによって天敵土方と付き合うことになってしまった。
完全に沖田は出遅れた。
銀時の瞳には、黒髪の目つきの悪い男しか映っていない。
沖田は銀時の瞳を見つめ、瞳の奥に住む男と睨みあう。
そして宣戦布告をした。


 いつかアンタの視線を俺に向けてやらぁ

Look at Me!!



09.12.16 10.02.19UP
恢罹