ったく、総悟の野郎、巡回中に消えやがって。
いらいらする。
煙草煙草……
ふぅ〜
落ち着くな……。
ん?そこのファミレスから見えるのは……



自覚後失恋






俺はいつものように巡回をしていた。
総悟と二人で。なはずなのに、その総悟は俺がちょっと目を離した隙にどこかへ消えてしまった。
また、団子屋のベンチで惰眠でも貪っているんだろう。
総悟のサボり癖に呆れながら通りを見回っていると銀色を建物の中に見つけた。
ふわふわふわふわ。
中身と一緒でいかにも軽そうな銀髪。
白い着物を独特な着方で羽織り、中に黒い服を着ている姿は街中ですぐに目がつく。
しかも、俺は最近この銀色を目で追い、街中で捜す始末にまでなった。


それから気づいた。彼の魅力に。


スッと通った鼻梁。
形のいい眉。
長い睫毛。
ふっくらとした厚過ぎず薄過ぎない唇。
紅い瞳。
それぞれが上手に、綺麗にシャープな顔に並んでいる。
肌は普通の男にしてみれば白く、体つきはいい。
口の悪さと死んだ目が邪魔をしなければ、こいつは美形なんじゃないか?
それに気づいてから、俺の目はますます万事屋を目で追うようになり、中身にも惹かれた。
そう、俺は万事屋のことが好きになっていた。



「万事屋、またパフェ食ってんのか」

俺は、銀色を見つけて、一人だということに気づき中に入った。

「ん?おー土方くんじゃん。お仕事中ですかぁ?大変ですねぇ税金泥棒」
「てめぇは昼間っから糖分摂取か。働け糖尿ニート」
「うるせぇ、ニコ中マヨラー」
「黙れ、万年金欠天パ」



ひとしきり言い合いをした後、俺は銀時の向かいに腰を下ろす。
銀時は突然現れ、腰を下ろした俺を特に気にせず食べている。
以前だったら目が合えばすぐ斬り合いの喧嘩になっていただろうな。
最近では、よぉ、等と挨拶を交わすしたり、銀時はちゃんと土方と呼んでくれるまで進展した。
俺も密かに「銀時」と呼んでいる……。
んま〜いと幸せそうな顔をしながらパフェを食べる姿は……かわいい。
いつもの死んだ目に光が灯る。ホントに好きなんだな…
それにしても綺麗だ。
髪の毛と同じ色をした長い睫毛がゆらゆら揺れて、銀髪に光が反射してきらきらしてる。
これを日の下で見たらとても綺麗なんだろうな…
少しじっと見過ぎていたらしい。視線に気づいた銀時の紅い瞳がこちらを向く。
その瞳に射抜かれてどきりとする。


「何?土方くん、パフェ食べたいの?食べる?ほら」

パフェがずい、と差し出される。
パフェには銀時が使っていたスプーンが刺さっている。


か、間接キ……ッッ
た、食べたいが俺は甘いものが嫌いだ。でも甘いものだが銀時から差し出されたパフェ……っ

「俺にも下せぇ」

「旦那、俺もパフェ食べたいでさぁ」
「総悟!?ってめ、どこ行ってやがったぁ!!」

総悟は俺の質問を無視して銀時の隣に腰掛ける。
おい、何てめぇ銀時の隣に平然と座ってんだ!

「ったく仕方ねぇなぁ。ほら、あ〜ん」

あ〜んだとぉぉ!?銀時ぃぃぃ!!!俺にはしてくれなかったくせに!!

「あれ、土方さんいたんですかぃ?何やってんですかぃ土方さん働けや」
てめぇに言われたくねぇ!お前さぼってどこ行ってやがったんだ!!」
「今日は俺は午後から非番ですぜ。ちょっと早めに仕事切り上げただけじゃねぇですかぃ」
「最後まで終わってから行けや!」
「そんなに大声出して他のお客さんの迷惑になりやすぜ?」
「ねぇ総悟、もう一つ頼んでいい?」


パフェを食べ終わったらしい銀時が追加を強請る。
というか「総悟」呼びだとぉぉぉぉぉ!?
いつの間にそんな親しくなってんだ!?
俺はまだ「土方くん」だぞ!?


「駄目でさぁ。後で高いケーキ食べれるんですぜ?」
「ん〜、わかった」


かわいいっっっっっっっっ!!!!
素直にコクッなんてやるなぁぁぁ!!
というかこの後!?
二人でどこかに行くのか!?
目の前では二人は、この後どこ行く?何食べたい?などの会話をしている。
……まるで恋人同士のデートの計画のような。
目の前から桃色の空気が漂っている。
総悟、お前はそんな表情もできるのか。
銀時、そんな笑顔、見せてくれたことなかったな……。
最後に夜はホテル取ってありやすから。
なんて言葉が出てきたときには俺は失神してしまうかと思った。



二人は店を出ていき、一人残された俺は、窓から二人を見つめた。
いちゃいちゃ。絶対あれはハートが飛んでんじゃねぇか?と思うほどのいちゃつきっぷり。



最近、銀時が好きになった。
しかしすぐにその想いは絶たれる。


俺の恋は自覚後、すぐに失恋に変わった。




梨紅様リクエスト 沖銀←土

09.07.14 10.02.10UP
恢罹