「銀時!勝手にどっか行くんじゃねぇ!」

「銀時、手を繋いでいろ」

「ヅラてめぇ!抜け駆けすんな!」

「ヅラじゃない桂だ。抜け駆けじゃない早い者勝ちだ」



過保護




銀時、高杉、桂の三人はお祭りに来ている。
(ちなみに松陽先生は心配なのではじめて○おつかいのごとく影から様子を伺っている)
お小遣いをたくさんもらい、お賽銭をあげ、出店を回っているところだった。



「銀時!どこへ行く!こっちだ!」



銀時は甘い匂いにつられふらふらと行ってしまう。
それを高杉と桂は追いかけ連れ戻し、を何度も繰り返していた。
そして二人は、あることにも心配していた。





銀時が悪い大人に連れて行かれないか。




肌は白く、ふっくらとした頬、ぽてっとした唇、眠そうではあるがくりっとした目。
さらに銀時がコンプレックスを持っている天然パーマの銀髪。
自分で卑下しているが、そのきらきら光る銀髪がふわふわ揺れる様は目を惹かれる。
そしてその顔。これでは悪い大人、かわいいもの好きの女や、男どもに連れ去られて好き勝手されてしまうと高杉と桂は心配しているのだ。
しかし、銀時も甘いものをちらつかされればどうかわからないが、
子供とはいえ弱くはないし、知らない人についていくなんてことはしないのだが、高杉と桂は心配し過ぎてしまう。



「銀時は?」



ちゃんと横にいたはずの銀時がいつの間にやらいない。
焦って二人は人ごみをかきわけ銀時を探す。
人ごみを縫って探した銀時は、ふんわり甘い匂いが漂うわたあめの店でじっとわたあめを作っているところを見ていた。
くるくるとふわりとした白い砂糖のわたが割り箸に巻かれていくのをじっと見ている。



「銀時!てめぇ勝手にいなくなんなって何度言ったら!!」

「銀時、わたあめが欲しいのか?」



こくこくとうなずく銀時。
その姿に悩殺されながら二人は蝦蟇口から小銭を取り出しわたあめと交換してもらう。
渡された白い塊を銀時に渡すと、銀時は一口口に含む。
途端、ふにゃんと顔を綻ばせる。
再び二人は悩殺され後ろに倒れそうになるのを堪えた。



「ただの砂糖の塊が美味いか?」

「ただの塊じゃないぞ!甘い甘い幸せの塊なんだ!」

「幸せねぇ…お前の頭みたいにふわふわ軽そうだな」

「んだと!高杉!」



歩くたび揺れるわたあめを見ていると、ふわふわ揺れている銀髪の頭がもう一つあるように見えた。



「銀時、次ははぐれないように俺の手を握っていろ」



桂はもうすでになくなりかけているわたあめを持つ銀時に言う。



「ヅラてめぇどさくさに紛れてっ」

「んーじゃあ俺ここ持つ」



ぐいっ



「いだだだ!銀時そこは持つな!」



銀時が掴んだのは、ひとまとめにしてある少々長い桂の髪。



「あぁ、悪ぃ、掴みやすくてつい。でも取れちゃうか」

「ヅラじゃない地毛だ!」

「あー、次あれ食べたい」



桂の話は無視して、しかししっかりと今度は手を握って二人を引っ張っていき、向かう先はりんご飴の店。



「お前甘いものばっかだな」

「甘いものは幸せがたくさん詰まってるんだぞ!」





三人で帰り道を並んで歩きながら食べた赤玉は、甘酸っぱく確かに幸せの味がした。



本誌で仔銀が出てきて萌えっとして書いた作品
甘いものちらつかされればふらりと行ってしまう銀ちゃんを連れ戻すのが桂と高杉の役目。
今は新八と神楽です。大人のくせに甘いものの誘惑には打ち勝てない銀さん…いつか嵌められる!絶対!いろんな意味で!

09.09.23
10.02.02UP
恢罹