▼土方と結婚している
▼娘がいる
かぶき町で万事屋だなんて怪しい仕事をやっている女と、出会ったのは十数年も前。最初の頃は胡散くせェ奴だと思っていたが、
何度も言葉を交わすうちに、俺はこの女に惹かれていった。
そして告白して、何度もアタックしてやっと落とし、そして晴れて結婚し真選組副長の妻、という席になんとか座らせた。
ここまでが長かった。アイツは一見軽そうに見えるが近づけばやたらガードが固く、なんとかそのガードを解き、そして付き合うまでがとても長い道のりだったように思う。
今ではいい思い出だ。
そして、所謂できちゃった婚で結婚。生まれたのは、娘。娘は父親に似るというのは本当かもしれない。髪の毛の色と質は俺に似て黒くさらさら。
そして目元もきりっとしている。だが目の色だとか、細かい所は銀時に似ている気がする。
目は赤みがかっていて(瞳孔は開いていなくてよかった)爪の形は銀時の爪とそっくりだ。
今、もう14歳になった娘は、近所の子とも仲良くしているようだし、チャイナやお妙さんと一緒に遊ぶこともあるようだ。
そんな娘の成長を、俺は変わらず忙しい中でもちゃんと見守ってきた。娘に悪い男がついていないか心配にもなる。今なら本当にとっつぁんの気持ちがよくわかる。
娘の恋人は、俺がちゃんと見定めてやらねば、と思うのだ。
それがだ。
俺は娘に何かしたか?
いや、仲良かったはずだ。小さい頃はあんなに「父様〜!」と抱きついて来てくれたじゃないか。
「私の下着とお父様のと一緒に洗わないでって言ったじゃない」
「あー?そんな我儘言うなっての。そんなこと言ったらパパ悲しむぞ〜?」
「だって・・・」
今、ちょうど厠へ行こうとしたら、途中で洗濯機の前にいる妻と娘の会話を聞いてしまった。
今、俺は石化している。
娘が産まれたときに、周りの連中が、祝いの言葉と共に、「思春期になって『父上嫌い!』なんて言われたりして」なんて言われた。
そんなことは、まだ結婚していない奴らの負け犬の遠吠えだと思って放っておいたが、まさか本当に、そんな類のことを俺が言われるなんて・・・・・・。
ショックで立ち直れない・・・・・・。
「だって・・・だって、お父様に私の下着見られちゃったら恥ずかしいじゃないっ」
本当は、俺を嫌ってそんなことを言ったのではなく、思春期の、なんとも可愛らしい理由だったのだが、俺は魂が抜けた状態だったので、聞けず、
のちのちに、銀時から聞くことになった。
10.07.03UP