知ってますかぃ?万事屋銀ちゃんを・・・
ああ、この界隈じゃ結構有名ですよねぃ。あの3人は。この前屋根修理してた?猫探し?客引き?水道管工事まで・・・。
まぁあそこの主人は器用なお人ですからねぃ、なんでもこなしちまう。だから万事屋なんてやってんでしょうけど。
それがどうしたかって?そうじゃなくて、『夜の』万事屋銀ちゃんってなァ、知ってますかぃ?
あそこの旦那、坂田銀時さんは、たびたび会うと思いやすがあの人は男に好かれるタイプの男だ。
それはあの人の魂とか、そういうのに惚れるっていうことなんでしょうけど、そうじゃねぇ。あの人には何か魅力がある。
男を落とす、そんなフェロモンでも出てんですかねィ?そう、まぁ俺もそれにヤられちまった一人なんですがねィ。
真選組の中でも結構人気なんですぜ?あの人に惚れてる野郎が何人もいやがる。あのアホの土方もその一人で・・・
絶対あの野郎にだけは負けねぇって思ってたらねぇ・・・。
まさかあの人がこんな仕事までしてるなんてねィ!
初めてその仕事をしようとしてるところに出くわした時はさすがの俺も驚いて口が塞がりやせんでした。
あの日、夜番だったのをサボって巡回のルートを外れて、あ、コレ土方さんには内緒ですぜ?
どこに向かおうとしてたのか忘れちまったけど近道と思って路地裏に入ったんです。そしたらそこで、あの万事屋の旦那が、オッサン相手に指を3本立ててるじゃありやせんか!
いつもは見ない顔をして笑いかけてるんでさぁ。そりゃもう、びっくりしやした。でもそこで俺がやすやすと見逃すわけねぇでしょう?だからねぃ、俺はその二人に声をかけたんでさぁ。「何してんでぃ」ってねぃ。
そしたら相手の男は俺の隊服を見て「コイツが誘って来たんだ」って旦那に罪をなすりつけて一目散に逃げて行きやした。別に俺らは管轄外なのにねィ?
旦那は俺を見て、バレたと焦った顔をするでも残念な顔をするでもなくいつもの顔に戻りやした。いつものあの飄々とした表情に。
「あ〜あ、バレちまったか。何?捕まんの?俺」
「いや、管轄外なんでねぃ」
「あっそ。よかったよかった」
「いつもあんなことしてるんですかぃ?」
「んー?さぁ?あーあ。さっきの客、金持ってそうだったのに」
あぁ、そういやぁ、あの時向かっていた場所はたぶん万事屋だったのかもしれやせん。目的の人にこんな所で会えたっていうのと、
目的の・・・惚れちまったあの人が男もいけるんだってことと、あの人が売っているというのに、多少の嬉しさと好奇心があったんだと思いやす。
あとは、これはチャンスだ?とか?
「すいやせんねぇ。俺が声をかけたばっかりに。お詫びと言っちゃぁなんですが、俺とどうです?
」
旦那の答えがYesかNoかどちらだとしても俺は旦那の手を引いていやした。まぁ大人しくついてきたから多分答えはYesだったんだろうけどねぃ。
行為が終わって、慣れてると思ったけど案外早くに気を失っちまった旦那の目の覚める瞬間が見たくて朝まで隣で一緒に寝やした。わざと処理をしないままで。
望んでいた物とは少し違ったけど面白い反応を返してくれた旦那は、やはり泣かせ甲斐があると思いやしたねぃ。
「旦那、またどうですかぃ?」
「えー、やだよ、お前マニアックなプレイしてくるしよー。銀さん身体もたねぇよ」
「お金たくさん払ってあげやすぜ?」
「金もいいけど、俺は気持ちいいこと優先なの」
「じゃあ今度は泣くぐらい気持ちいいことして啼かせてあげやすぜぃ?」
「沖田くん、おやじくせぇよ?」
さっさと用意してしまった旦那は枕元に置いてやった数枚の札を持って部屋を出ていっちまいやした。
え?俺が、万事屋の旦那が身体を売ってる、しかも男に、なんていうネタをばらまかないかって?
だってそんなことしてもあの人は堪えねェ。そんなんじゃつまんねぇだろぃ?
それに、俺だって結局あの人の色気に逆らえなかった一人でぃ。一種の共犯でさぁ。
10.06.24UP